診断がおりる前の「なぜか字を書けない」という時期、幼稚園から小学四年生までは
フリクションペンではなく、濃いめの鉛筆とざらざら下敷きを使用していた。
下敷きにざらざらとした加工がしてあるので、鉛筆の先がひっかかり、字が書きやすくなるという文房具である。
普通の下敷きと、ざらざら下敷きと、両方を使わせて
「どちらがいい?」
と、聞いてみると、息子は
「こっちのざらざらのほうがいい」
と、選んだ。
低学年だったので、使い方が丁寧ではなく、ざらざら下敷きを使い忘れて書いていて
「きちんと使ったほうがいいよ」
と、私から、毎度毎度に注意されていたため
「書くのイヤになる…」
と、泣かせてしまった。
苦手の前に、書きたくなかったし、読みたくなかったのだ。
やりたくないことをやろうと気持ちを作っていたのに、小言がきていたのだから、泣きたくもなる。
私から見ると、ざらざら下敷きを使っていたほうが楽そうに見えたけれども、「使いなさい」と小言をやめるほうを選択したので、どんどん使い忘れていった。
それでも、たまのたまに絵を描く時などは、自分で引っ張り出して使うこともあったから、ざらざら下敷きも良かったのではないかと思う。
息子には「こういうものもある」と覚えておいてもらいたい。