初めてアマゾンファイヤスティックが来た時にも、私はまだ息子が何を好むかつかめていなかった。
つい教育的にと、まんが日本昔ばなしや、童話のアニメや、童謡のアニメをつけたが、息子には苦行であったらしい。まんが日本昔ばなしは「こわい」と泣いた。
童謡のアニメから出たオススメだったと思う。
英語のキッズソングアニメを見た息子が目をキラキラとさせた。
カラフルで多様な人種の子供のキャラクターが英語で歌って踊る。
パンダが英単語をリズムをつけて歌う。
あぁ、やはり海外作品が好きだったか、と思った。
さらにオススメが流れる中で最初に執着を見せたのが、グリジーとレミングスだった。
熊のキャラクターとたくさんレミングたちが、追いかけっこをする、バックミュージックだけのシンプルな、セリフなしのアニメだった。
私はレミングはずっとネズミだと思っていた。鳴き声はあるけれど一度もしゃべらないのでわからなかったし、名前を知らなくても何も困らなかった。
軽快でテンポの速い音楽の中、いたずらをしたレミングを熊が怒っておいかける。
ずっと同じことのくりかえし。セリフなし。
アニメの出来はいいのだろうけど、私は思った。
「まずい、言葉が遅れる」
しゃべらないのだから、語彙が増えるわけがない。
ただ、息子は満面の笑みで、手をたたいて喜び、ジャンプした。