学習の補助

息子と黒板のカメラ撮影 その5

黒板の撮影機器をカメラに決める。

特別支援学級で撮影する練習をする。

黒板撮影する教科を決める。

遊びにつかわないよう、学校にカメラを持ち込むためのルールを子供と決める。

このあたりまでで10日くらいだったと思う。

息子がストレスで爆発的に泣き出してしまった。

「もう!ヤダ~!」

と布団に顔を埋め、何度も何度も布団を叩いた。

板書のストレスが溜まりすぎてしまった。辛かったのだ。

私は個人的に「希望を持たせておいて、希望を取り上げる」が一番可哀想だと思っているので、

ここの段階まできていても、息子に一度も

「学校でカメラが使えるから、黒板の字を書かなくても大丈夫になるよ」

といった言葉をまったくかけていなかった。

カメラの持ちこみがダメだった時の落胆を考えると、とてもじゃないが言えなかった。

わーわーと泣きじゃくる息子の背中をなで、落ち着いてから

「学校でカメラが使えると思ってた?」

と聞くとうなずいた。練習までしているのだから、そう思うだろう。

「もう、カメラを使いたい?」

と聞くとうなずいて

「練習が長すぎるよ…子供の時間には長いんだよ…」

とまた泣いた。

息子が黒板を撮影するという行為にこだわっていたのは、私だった。

一生、読み書き障害があるのだから、早いうちに「自力」でできるようにとこだわりすぎていた。

すぐに学校に連絡して、

「黒板の撮影は大人である先生にお任せいたします。授業中の読み書きする量をすぐに減らすべきでした」

と、先生に撮影をお願いすると同時に、明日からでもカメラ撮影をはじめてノートに字を書かなくてすむようにお願いした。

先生側はカメラにクラスメイトが写ってしまう、クラスメイトの肖像権の心配が強かったようすで

「担任が撮影をするのなら、撮影ごとにカメラをチェックする必要がなくなります、明日からでもはじめましょう」

と本格的に授業でカメラ撮影をはじめることが決まった。