息子が受ける授業の黒板の撮影が開始された日に、私は
「今日はニコニコ顔で帰って来るだろう」
と、かなり期待していた。
息子はいつも、疲れて暗く沈んだ顔で、家に帰って来ていたから、心配だった。
当日、息子は疲れて暗く沈んだ顔で帰って来た。
「あれ、どうしたの?疲れてるみたいよ、カメラ使えなかった?」
と、驚いて聞くと
「カメラは先生がやってくれたけど、ノート書いちゃった」
と、しょんぼりと答えた。
ノートをとらなくていいことはわかっていたのだけれど、教室中のみんながやっていることを一人だけやらないでいることに、違和感があったらしい。
とりあえず
「そっか、書いちゃって、疲れちゃったか」
で、その日は終わらせて、疲れたまま宿題を半分やり(当時は宿題が終わらせられなかった)
寝る前と朝のうちに
「ノートは書かなくていいんだよ、ただ、授業はしっかり聞くこと」
と、何度も言い聞かせた。
そして、またノートに書いてしまい、疲れて暗く沈んだ顔で帰ってきた。
言い聞かせて駄目だったのだから、仕方ない。
学校への連絡帳で
「言い聞かせましたが、ノートに書いてしまっている様子です。書かなくても大丈夫だと先生からも指導をお願いいたします」
と、お願いした。
先生は
「カメラ撮影の教科の時は、ノートをしまいなさい」
と、指導してくれた。
書かなくていいと声掛けをしたのだけれど、書こうとしていたので、ノートをしまわせることにしたとのことだった。ありがたい。
みんなと違う、という気持ちは、
あまりないように見えていたが、やはりあったのだ。