学習の補助

息子と黒板のカメラ撮影 その7

黒板のカメラ撮影を学校にお願いして、授業中にノートを出さないようにして、ようやく息子は

「ただいま!」

と、元気よく笑顔で帰ってきた。

見ただけで、疲れ具合が違うし、表情が明るかった。

「あのね、書かなかったの。ちゃんとしたよ」

と、ニコニコと報告を受けて、安堵した。

カメラをチェックすると、黒板だけが写っている。クラスメイトの姿はない。

「よく撮れてるね、じゃあちょっと復習しようか」

と、カメラを見せると、息子はガーンとショックを受けた顔をした。

カメラを見て、私を見て、

「読まなきゃダメなの…?」

と、絶望した表情をした。

ここで気が付いた。

カメラで黒板を撮影しても、写真にある黒板の字が読めないのだ。

教科書でも、ノートでも、カメラの画像でも、媒体はなんでも、文字は文字で、文章は文章で、「読む苦手」が減るわけではなかった。

ノートはとらなくて良くなったから「書く苦手」が減っただけだった。

どうしよう…と悩んだ。

これだけ、いろいろ便宜をはかってもらって

「カメラ撮影したけれど、写真の字を読めません」

と、学校に相談したところで、なにかいいアイディアが出てくるとも思えなかった。

息子は今までよりも、ずっとずっと明るい表情をしている。

しばらく、様子をみよう、学校へは特に相談しないようにしよう、と決めた。