幼児がアンパンマンに夢中になる時期を「アンパンマン期」と呼ぶことがあるらしい。
息子にはアンパンマン期がなかった。
アンパンマンを見せても「もう、いい?」と言う。
この「もう、いい?」は「もう、見なくてもいい?」の意味だった。
おかあさんといっしょもつまらなそうで、しなぷしゅもつまらなそうだった。
ドラえもんも、クレヨンしんちゃんも、カッコイイ戦隊シリーズや仮面ライダーも、見るには見るがつまらなそうだったし、実際に「もう、いい」と視聴をやめたことも多い。
お絵描きもしない、ぬりえもしない、積み木は少しするが、楽しそうじゃない。
ミニカーはちょっと好きだったようだ。
散歩も公園も連れて行った。
遊ぶには遊ぶが、どう見ても活発なタイプではなかった。
しかし、家でアンパンマンよりは表情が豊かだったので「外の方が好きな子なんだろう」と思ったが、何かしっくりこない。
レンタルビデオショップで、かたっぱしから幼児向けDVDを借りた。
ミッキーのクラブハウスとおさるのジョージは気に入って、ニコニコと「お母さんも見て!」と誘ってきて、キャラクターの名前も覚えた。
キャラクターの名前を使って会話を始めたことにほっとした。
「ああ、こういう海外作品が好みだったか」と息子の好きがわかって嬉しかった。
レンタルビデオショップでミッキーのクラブハウスとおさるのジョージを何度も何度も借りた。
そんな中でアマゾンファイヤスティックが来た。
ユーチューブを見た息子は目を輝かせた。