黒板の文字をノートに書くことが苦痛で、息子は不登校になりかけた。
学校へは相談済で、支援級でひもを結んだり、工作をしていた。
たぶん、手先の器用さのカバーだったのだと思うけれども、役にはたっていなかった。
読み書き障害の子供は思っているよりも多いのです、という話を聞いたので、学校の先生は読み書き障害の生徒の学習サポートの前例を持っているのだろうと思いこんでいた。
聞いてみた。持っていなかった。
私が動かなくてはならなかったのだ!
「他の読み書き障害がある子はどうしていたんですか?」となぜ早いうちに質問しなかったのか!
悔やんだが、時間が惜しかったので、悔やむのは後回しにして、すぐに黒板の撮影の許可を求めた。
「病院の診断結果に対応します」
「診断書があったほうがいい」
「もらってきてください」
「黒板の撮影はできる」のだけれども「診断書があったほうがいい」のループに入った。
「ないとできない」ではなく「あったほうがいい」との話だったけれども、話がすすまない。
病院へ診断書を頼んだら、病院側の意見は
「診断書がなくても、合理的配慮は受けられる、必要ない」
との返事が来た。
学校側に、合理的配慮は診断書なしでも受けられるそうです、お願いします、と再度お願いしたが
「合理的配慮は受けられるが、診断書があったほうがいい」
と、また診断書の話になった。
このループは診断書が終わらないとわかったので、病院側にかなり大げさに言った。
「診断書がないと何もすすみません」と
病院側は仕方なしに診断書を書いてくれた。
「合理的配慮は診断書がなくても受けられるべきだ」
と何度も私に言った。
私は
「これで、息子の学校で、今後に同じような読み書き障害の生徒さんがでたら、合理的配慮に診断書の提出が前例にあるから、必ず診断書が必要になるんでしょうか?」
とそちらが心配になった。
心配になるくらい、病院の予約からテストを受けるまでが長かったのだ。
「なるでしょうね」
と病院の先生は言った。
会ったことのない他のお母さんに申し訳ない気持ちになった。
ともかく、合理的配慮を受けるための診断書は手に入った。
今、気が付いたが、学校側に
「本当は診断書がなくても、合理的配慮はできたはずですよ」
とアプローチすることはできるな。
前例は作ってしまったけれど、先生方に忘れずに何回も話しておこう。
メモ 先生方に診断書なしでも、合理的配慮をしてほしかった話を忘れずにする